◎蒲生の近江商人

4、外池 宇兵衛

 昭和時代の男性化粧品の代表「ポマード」はサラリーマン男性の象徴的な七三に別けた頭髪、若者はリーゼントが格好良さには欠かせないアイテムでした。この化粧品を製造販売していた柳屋は、東近江市桜川西町出身の外池家で、江戸中期の宝暦年間(1751~1763)に宇兵衛教意(または敬意)が志を抱いて、中山道を下り下野〈しもつけ〉国(栃木県)那須郡に薬種業を開き「近江屋重治郎」といわれました。 
商いが安定したころ、当時この近辺では濁酒(にごりざけ=一般にドブロク)しかなかったので清酒の醸造を始め、火災などに遭ったが商機をつかみました。2代目正西は弟半兵衛明願と共に繁盛させて天明初め(1781頃)に奈良屋煙草店、柳屋油店を買い取りました。
郷里の下小房〈しもおぶさ〉(桜川西町)の飲料水用に佐久良川の伏流水を利用する「宝水」を開き、三代目宇兵衛正意は田用水に「新溜」の建設、四代目正諠は小学校・近江鉄道の開通に私財を投じ故郷に貢献されている。

東小旧校門

宝水(桜川西)