◎蒲生の古墳


5、稲垂山古墳群

布施山の南端、玉緒山の西側山麓に2基の古墳が存在するもので、1号墳は円墳で墳丘上部が崩れ三つの天井石(2.2m程の大きさ)が石室内に落下し石室が露出、主体部には東側壁に4石・奥壁の基底部に1石(横長に1.0m程)・西壁には2石が残され、玄室(げんしつ・遺がいを安置する部屋)幅1.7mの長方形石室で南に開口を持つ横穴式石室である。  

2号墳は、1号墳に接する形で南西側に存在するが崩壊が著しく、墳形や墳丘の規模、また石室の構造は不明である。これらは、発掘調査は行われていないので詳細は不明であるが、一つの家族が、2世代にわたり築造したものと考えられている。

また、大正11年(1922)発行の「近江蒲生郡志」に「大字稲垂所属の玉緒山中には、小型なる古墳あり、縦5尺5寸《約1.7m》にして石を郭〈かく〉とせしものあり、又、粘土を以て四周を囲みしものあり、特種の古墳とす」と記された古墳は今どこに眠るのであろうか。

 

稲垂山古墳 位置図

稲荷山古墳 配置図

稲垂山古墳 全景